会長挨拶
会長挨拶
東京ビルメンテナンス協会が設立されたのは、昭和37年(1962年)5月、高度経済成長の下、人口や業務機能が集中し、東京が世界初の1,000万人都市となった時でした。オフィスビルや商業施設をはじめ、施設建設が相次いだ時代を背景に設立された協会の歩みは、我が国におけるビルメンテナンス業の歴史と重なります。
この間、ビルメンテナンス業は、都市の発展とともに飛躍的な発展を遂げてきました。今では脱炭素社会の実現という国を挙げた取組みの中で、建物の省エネルギー化や都市環境の改善に不可欠な存在となるとともに、環境衛生の確保、テロ対策や防災を含む安全の確保など、わが国を支える基盤産業になったと言っても過言ではありません。
当協会は、創立以来ビルメンテナンス業の社会的使命を果たすことを基本方針に掲げ、建物管理の技術力の向上や人材育成に注力し、業界の地位向上に努めてまいりました。現在510社余の正会員及び70社前後の賛助会員を擁し、全国ビルメンテナンス協会を支える最大の地方組織として成長いたしました。
平成23年2月、当協会は公益社団法人に移行し、社会に貢献する法人としてその責務を自覚するとともに、従前にも増して公益性の高い各種事業を実施してきました。近年、自然災害の脅威が叫ばれております。令和7年度は、建築設備機器の事故の防止を図るため、地震被害軽減の一環として、最新の緊急地震速報システムについて調査し、報告書を作成いたします。また、昨今の気候変動は、熱中症など新たな労働災害のリスクをもたらしています。当協会においても、オンラインセミナーで労働安全衛生規則の平成7年6月改正に基づく熱中症対策を呼び掛けるなど、従事者の生命と健康を守るために取り組んでまいります。
一方、人口減少などを背景とした人手不足は、ビルメンテナンス業においても深刻化しております。令和7年度は、清掃業務における人手不足への対応に関する調査を行い、報告書を作成いたします。また、高騰する人件費に的確に対応を図るための啓発活動を続けるとともに、東京都をはじめとする関係機関への要請を行ってまいります。東京ビルメンテナンス協会は、国際都市東京の環境と安全を守る仕事を通じ、社会に貢献する協会として、引き続きその使命を果たしてまいります。
令和7年6月3日
公益社団法人東京ビルメンテナンス協会
会長